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はじめに 特徴 潜伏期・症状 感染対策 ウイルスの不活化 非流行時感染対策 流行時の感染対策 外来 流行時の環境整備環境整備 オムツ交換時 ポータブルトイレの洗浄 吐物の処理 感染した職員への対応 次亜塩素酸ナトリウム希釈一覧 下痢・嘔吐をしている患者様の入院中の対応 下痢・嘔吐をしている患者様の外来の対応 ノロウイルスQ A はじめに ノロウイルスは、11 月から3月にかけての冬季を中心に、乳幼児や高齢者の間で多発する感染性胃腸炎の主な原因として知られています。また、ノロウイルスはカキなどの二枚貝の不十分な加熱調理や感染した食品取扱者から汚染を受けた食品などを原因に食中毒が発生し、近年、感染症、食中毒ともに発生が増加しています。 ノロウイルスによる症状は比較的軽く、通常は2,3日で回復しますが、感染力が非常に強く少量のウイルスを経口的に摂取することで発病する特徴があります。そのため、集団生活を行う施設では、利用者の介助や調理作業時等における手洗いの不備などから、感染症や食中毒が発生し、二次感染により被害が拡大することもあるので注意が必要です。各施設では平常時からの予防対策とともに、感染を早期に把握し、適切な拡大防止の対策等を、迅速、確実に実践できる事が大切です。 特徴 乳幼児から成人まで幅広い年齢層に、感染性胃腸炎を起こすウイルスです。年間を通じて*発生していますが、特に冬季に多発します。100 個以下という少量で感染が起こりますが、人の腸管内でウイルスが増殖するため、患者のふん便やおう吐物には1グラムあたり100 万から10 億個もの大量のウイルスが含まれています。 乾燥や消毒液に強い為、環境中に残存したウイルスが空気中に舞い上がり口から取り込まれて感染する事例もあります。 潜伏期・症状 ウイルスが体内に取り込まれてから発症するまでの時間は24~48 時間です。 主な症状は、下痢、吐き気、おう吐、腹痛、発熱などで、通常3日以内に回復しますが、ウイルスは感染してから1週間程度ふん便中に排泄され続けます。 感染しても症状が出ない人もいますが、糞便中にはウイルスが排泄されている為、注意が必要です 感染対策 ウイルスの不活化 (1) 他の微生物などと比べると熱に強く、85℃で1分以上の加熱が必要です。 (2) 逆性石けん、アルコールの消毒効果は十分ではありません。塩素系漂白剤の次亜塩素酸ナトリウムは効果があります。 非流行時感染対策 1 手洗いの励行 2 環境衛生を心がける(日常の清掃) 3 吐物の処理時は必ず、手袋・プラスチックエプロン・マスクを着用し、次亜塩素酸ナトリウム溶液(0.1%)で消毒をおこなう 4 嘔気、嘔吐・下痢等の症状のある患者様には、手洗いの徹底を指導する 流行時の感染対策 1 手洗いの励行 2 見舞い客の制限を行う(院内掲示等による) 3 病棟内の患者様の症状に注意し集団感染の兆しが見える時は、速やかに院内感染対策委員会に報告する 4 院内感染対策委員会は集団発生の報告があった場合には、早急に委員会を招集し、院内感染の状況を把握する 5 院内感染対策委員会は状況の把握をすると同時に、委員長を通じ病院幹部へ速やかに報告を行う 6 同時に二次感染の予防の目的で消毒方法等、特別な処置を取る 外来 1 下痢・嘔吐の症状がある患者様がいる時は外来看護師に報告する 2 入り口・受付・待ち合いに院内掲示をする 流行時の環境整備 環境整備 1 患者様用の共同トイレには殺菌・消毒用手洗い石鹸液・ペーパータオルを設置・補充を行う 2 トイレの手すり・ドアノブ・便座は一日3回次亜塩素酸ナトリウム(ピューラックス)で消毒すする(金属部分は次亜塩素酸ナトリウムで腐蝕してしまうため、きれいに拭き取る) 3 手洗い場は1日1回0.1%次亜塩素酸ナトリウム(ピューラックス)で消毒する オムツ交換時 1 ディスポの手袋・プラスチックエプロン・マスクを着用し、使い捨てのおしり拭きで汚染物を拭き取る 2 交換したオムツ・おしり拭きは床に置かず、ビニール袋に直接入れ感染性廃棄物として処理する 3 処理後は手袋をはずし、殺菌・消毒用手洗い石鹸液と流水で充分手を洗い、ペーパータオルで丁寧に拭き取る ポータブルトイレの洗浄 1 ディスポ手袋・プラスチックエプロン・マスクを着用 2 便槽は流水と専用ブラシで洗い、0.1%次亜塩素酸ナトリウムで消毒する 3 処理後は手袋をはずし、殺菌・消毒用手洗い石鹸液と流水で充分手を洗い、ペーパータオルで丁寧に拭き取る 吐物の処理 1 ディスポ手袋・マスク・プラスチックエプロンを着用 2 0.1%次亜塩素酸ナトリウム液をスプレーにて噴霧する 2 吐物はペーパータオルで外側から内側に、拭き取り面を折り込みながら静に拭き取る 3 拭い取った吐物とペーパータオルはビニール袋に入れ、封をして感染性廃棄物として処理する 4 吐物が付着した床は、0.1%次亜塩素酸ナトリウム液をスプレーし、その後0.1%次亜塩素酸ナトリウムを染み込ませたペーパータオルで、浸すように拭く。使用したペーパータオルはビニール袋に入れ封をして、感染性廃棄物として処理する 5 処理後は手袋をはずし、殺菌・消毒用手洗い石鹸液と流水で充分手を洗い、ペーパータオルで丁寧に拭き取る 感染した職員への対応 1 流行時に下痢・嘔吐などの感染症状を呈した職員は、直ちに所属長に報告し休暇を取る 2 症状が完全に改善した後、復職可能とするが、感染後7日間はウイルスが糞便中に排泄される事考慮し、手洗いを丁寧に行う 次亜塩素酸ナトリウム希釈一覧 汚れたトイレ・床 0.1%(1000ppm) 原液濃度1%の場合 10倍にする 水3Lに原液330ml 汚れたトイレ・床 0.1%(1000ppm) 原液濃度6%の場合 60倍にする 水3Lに原液50ml 汚れたトイレ・床 0.1%(1000ppm) 原液濃度12%の場合 120倍にする 水3Lに原液25ml まな板・ふきん 0.05%(500ppm) 原液濃度1%の場合 20培にする 水3Lに原液170ml まな板・ふきん 0.05%(500ppm) 原液濃度6%の場合 120培にする 水3Lに原液25ml まな板・ふきん 0.05%(500ppm) 原液濃度12%の場合 240培にする 水3Lに原液13ml 汚れた衣類・洗濯 0.02%(200ppm) 原液濃度1%の場合 50倍にする 水3Lに原液60ml 汚れた衣類・洗濯 0.02%(200ppm) 原液濃度6%の場合 300倍にする 水3Lに原液10ml 汚れた衣類・洗濯 0.02%(200ppm) 原液濃度12%の場合 600倍にする 水3Lに原液5ml 下痢・嘔吐をしている患者様の入院中の対応 [入院時] ・個室または同様の症状の患者様を集めた病室にする。 ・体温計、血圧計は患者様専用の物を部屋に入れる。 [消毒薬] 0.1%スプレー 次亜塩0.1%「ヨシダ」 汚染物・手洗い場・ポータブルトイレ 0.02%スプレー 水3Lに対し12%バイヤラックス5ml 室内清掃 0.1%スプレー 水3Lに対し12%バイヤラックス5ml リネン類、タオル類 ・消毒液は必ず24時間ごと作り返す事! ・掃除等で金属部を拭いた時は、10〜15分後水拭きする事! [訪室時] ・室内に入る時には、エプロン・手袋・マスクを着用。 ・点滴交換や投薬等患者様に接しない時はマスクのみ着用。 [オムツ交換] ・使い捨ての布またはおしり拭きで汚物を処理し交換したオムツ等は床には置かず、直接ジッパー付き専 用袋に入れ 0.1%スプレー後密閉し、一般ゴミとして処分する。手袋、エプロンを取り袋に入れ汚物と同様の処理する。 [清拭] ・洗面、上半身タオルは他患と同じ物を使用し0.02%バイヤラックス液につけ洗濯し業者に出す。 ・下半身は使い捨ての布を使用し、ビニール袋に入れ0.1%スプレー後密閉し一般ゴミとして処分す る。 [吐物処理] ・吐物は次亜塩0.1%「ヨシダ」スプレーを散布し、次亜塩0.1%「ヨシダ」で湿らせたぺ−パタ オルで外側から内側向 かって拭き取り汚染範囲を拡大しない様にしビニール袋に入れる。吐物除去後0.1%次 亜塩0.1%「ヨシダ」を染 み込ませたペーパータオルでもう一度しっかり拭き、ジッパー付き袋に入れ0.1%スプレー後密閉し一般ゴミとして 処分する。手袋、エプロンを取り袋に入れ汚物と同様の処理する。 [ポータブルトイレ管理] ・ポータブルトイレの処理は日勤の受け持ち看護師が行う。(9:00と16:30の2回) ・便槽は0.1%スプレー後、必ずフタをして汚物処理室に持って行き、流水と専用ブラシで洗浄する。 0.1%液で便座を拭く。 [リネン類] ・リネン類専用のバケツに0.02%バイヤラックス液を作りリネン類は全て入れる。0.02%バイヤラックス液は毎日15:00に看護助手が作り直す。 ・入っていたリネン類は洗濯後業者に出す。 [食事] ・食器は使い捨ての容器を使用し配膳車で病棟に上がって来る。一人がエプロン・手袋・マスクを付け病 室の専用トレイを持ち入口で待ち、もう一人がトレイに食器を移す。食後容器はゴミとして処理する。トレイは0.1%スプレーし病室に保管する。 ・家族に割り箸、プラスチックスプーンを用意してもらい、割り箸は使い捨てにし、スプーンは0.1%次亜塩0.1%「ヨシダ」に30分間つけ流水で洗い再利用する。 ・容器は0.1%スプレーをまんべんなく吹き、一般ゴミとして処理する。 [退室時] ・エプロン・手袋・マスクをはずし室内で石鹸を用いて充分手洗いをし、ぺ−パータオルで拭き取り看護室でもう一度石鹸 を用いて手を洗う。 [退院時] ・室内は0.02%次亜塩0.1%「ヨシダ液で拭く。 [病棟・外来の掃除] ・0.02%バイヤラックス液スプレーをペーパーに噴霧し、手すり・ソファー・ドアノブ・ベット柵・など患者様が触れる部分を拭く。 下痢・嘔吐をしている患者様の外来の対応 [消毒薬] ①次亜塩0.1%「ヨシダ」(次亜塩素酸ナトリウム)を使用する。 ・消毒液は必ず24時間ごと作り返す事! ・掃除等で金属部を拭いた時は、10〜15分後水拭きする事! [待ち合い] ・嘔吐、下痢の症状がある患者様には、他患への感染予防の為である事を説明しマスクを着用してもらう。 [診察室] ・看護師はマスク、エプロンを着用する。嘔吐、下痢がある時は手袋も着用する。 [吐物処理] ・吐物は次亜塩0.1%「ヨシダ」スプレーを散布し、次亜塩0.1%「ヨシダ」を湿らせたぺ−パ タオルで外側から内側向かって拭き取り汚染範囲を拡大しない様にしビニール袋に入れる。 吐物除去後0.1%次亜塩0.1%「ヨシダ」を染み込ませたペーパータオルでもう一度しっかり 拭き、ジッパー付き袋に入れ0.1%スプレー後、密閉し一般ゴミとして処分する。手袋、エプロンを取り袋に入れ汚物と同様の処理する。 [外来点滴] ・基本的には外来のベットで行う。 ・ベストシーツを敷く。 ・終了時はベストシーツを次亜塩0.1%「ヨシダ」スプレーで消毒し一般ゴミに捨て、再度ベットを次亜塩0.1%「ヨシダ」スプレーにて消毒する。 [リネン類] ・リネン類専用のバケツに0.02%バイヤラックス液を作りリネン類は全て入れ看護助手に伝達し処理を依頼する。 [診察後] ・エプロン・手袋・マスクをはずし室内で石鹸を用いて充分手洗いをし、ぺ−パータオルで拭き取り、もう一度石鹸を用いて手を洗う。 [使用器具] ・使用した器具は次亜塩0.1%「ヨシダ」スプレーし、数分後水荒いし乾燥させる。 [病棟・外来の掃除] ・0.02%バイヤラックス液スプレーをペーパーに噴霧し、手すり・ソファー・ドアノブ・ベット柵・など患者様が触れる部分を拭く。 ノロウイルスQ&A
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目次へ 九州 平成20年度 院内感染対策研修会 熊本への移動 2009年1月20日(火) 16 10 病院出発。 16 40 自宅出発。 17 00 金沢駅西口5番のりばから小松空港行き高速バス乗車。 17 40 小松空港到着。早く着きすぎ orz。 19 10 全日空319便小松空港発。 20 35 全日空319便福岡空港着。 20 50 福岡空港国内線到着口から熊本交通センター行き高速バス乗車。 23 00 通町筋で間違って下車。市電終電過ぎのためタクシー乗車 orz。 23 01 ホテルドーミーイン熊本到着。 大きな地図で見る 金沢駅発小松空港行き高速バスの時刻表は、こちらです。 福岡空港発熊本交通センター行き高速バスの時刻表は、こちらです。 熊本市通町筋を示す地図は、こちらです。 ホテルドーミーイン熊本のホームページは、こちらです。 熊本からの移動 2009年1月24日(土) 大きな地図で見る 眠いzzz -- azro (2009-01-21 00 13 21) 熊本は行った事がありません。風景写真で行った気分になりました。ありがとうございました。次回も期待しています。 -- strange girl (2009-02-14 23 48 30) 名前 コメント
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外来感染症対策 インフルエンザ
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マスク・ガウン・フェイスシールドなどのバリア 湿性生体物質を取り扱う場合は、取り扱う者の手指以外の汚染についても感染経路別に防止する必要がある。 患者への直接ケアーだけではなく、汚染された器材類を洗浄する時など、取り扱う湿性生体物質が飛散する可能性がある場合は、目・鼻・口についてはマスクやフェイスシールド、衣服を汚染する可能性がある場合はガウンの着用が必要です。 ①血液・体液で衣類が汚染される可能性がある場合は、ガウンやプラスチックエプロンを着用する ②血液・体液等が飛散し、目・鼻・口を汚染する可能性がある場合は、サージカルマスクとゴーグル(もしくはフェイスシールド付マスク)を着用する ③血液針はリキャップをせずに使用直後に専用容器に捨てる。やむをえずリキャップをする場合はワンハンドリキャップを行う ④飛散した血液・体液は手袋を着用しペーパータオルや、雑巾などでふき取った後に次亜塩素酸ナトリウムで消毒する。 ⑤血液体液で汚染されたリネンは半透明のビニール袋に入れて口を縛り、赤の感染用袋に入れて、感染性リネンとして取り扱う トップページ
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施設清掃について 1院内環境整備について 院内における空気調和(空調)および給湯設備の適切な管理等、感染対策に有用な建築設備が整備され、清掃や環境管理が適切に行われる必要がある。 病院の環境整備の基本は清掃であり、広範囲の環境消毒はしてはならない。血液・体液による汚染がある場合は、汚染局所を清拭除去し消毒を行う必要がある。 消毒薬の噴霧、散布、薫蒸(くんじょう)や紫外線照射などは効果が不確実であり、作業者への危険性もあり、院内で実施してはならない。 粘着マット、薬液浸漬(やくえきしんせき)マットは感染防止効果が認められていないため使用する必要はない。 したがって、現在では人間の手が日常的に触れる環境表面を除いては、環境を消毒する意義はほとんどないと考えられている。 2日常的な環境の清掃と消毒 1)手が触れる環境表面(ベット柵・床頭台・ドアの取っ手・水道のコック・手摺など)は、日常的な清拭を行い埃や汚れを取り除く。その際、消毒薬を用いる必要はない。 2)手が触れない床などの環境表面は、最低1日1回の日常的な清拭を行い、埃や汚れを取り除く。 3)カーテンやその他の環境は、目に見える汚染があるときや、美的に保つ必要が生じた場合には洗濯をする。 4)換気口や窓の格子なども、日常の清掃によって埃が蓄積しないようにしておく。 5)血液・体液で汚染された環境表面は、ただちに手袋をはめて雑巾か紙を水で湿らせ、肉眼的に見えなくなるまで除去(雑巾は捨てる)。次亜塩素酸ナトリウム製剤(ハイター・サンラック等)を用いて清拭消毒する。その後必要であれば水拭きを行う。 トップページ
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Q1ノロウイルスってどうやって感染するのですか? Q2どんな時期にノロウイルス食中毒は発生しやすいのですか Q3ノロウイルスに感染するとどんな症状になるのですか? Q4どのような食品がノロウイルス食中毒の原因になっているのですか? Q5ノロウイルス食中毒の予防方法は? Q6調理台や調理器具はどのように殺菌したらいいのですか? Q7食品取扱者の衛生管理で注意すべき点はどこでしょう? Q8患者の糞便や吐物を処理する際に注意すべきところはありますか? Q9吐物や糞便が布団などのリネン類に付着した場合はどのように処理すればよいですか? Q10感染者が使用した食器類の消毒はどのようにすればいいですか? Q11感染者が発生した場合、環境の消毒はどのようにしたらよいですか? Q1ノロウイルスってどうやって感染するのですか? このウイルスの感染経路はほとんどが経口感染で、次のような感染様式があると考えられています。 1 汚染されていた貝類を、生あるいは十分に加熱調理しないで食べた場合 2 食品取扱者(食品の製造等に従事する者、飲食店における調理従事者、家庭で調理を行う者などが含まれます。)が感染しており、その者を介して汚染した食品を食べた場合 3 患者のふん便や吐ぶつから二次感染した場合また、家庭や共同生活施設などヒト同士の接触する機会が多いところでヒトからヒトへ直接感染するケースもあります。 Q2どんな時期にノロウイルス食中毒は発生しやすいのですか 一年を通して発生はみられますが11月くらいから発生件数は増加しはじめ、1~2月が発生のピークになる傾向があります。 Q3ノロウイルスに感染するとどんな症状になるのですか? 潜伏期間(感染から発症までの時間)は24~48時間で、主症状は吐き気、嘔吐、下痢、腹痛であり、発熱は軽度です。通常、これら症状が1~2日続いた後、治癒し、後遺症もありません。また、感染しても発症しない場合や軽い風邪のような症状の場合もあります。 Q4どのような食品がノロウイルス食中毒の原因になっているのですか? このウイルスによる食中毒の原因食品として生カキ等の二枚貝あるいは、これらを使用した食品や献立にこれらを含む食事が大半を占めています。カキなどの二枚貝は大量の海水を取り込み、プランクトンなどのエサを体内に残し、出水管から排水していますが、海水中のウイルスも同様のメカニズムで取り込まれ体内で濃縮されます。いろいろな二枚貝でこのようなウイルスの濃縮が起こっていると思われますが、われわれが二枚貝を生で食べるのは、主に冬場のカキに限られます。このため、冬季にこのウイルスによるカキの食中毒の発生が多いと考えられます。 Q5ノロウイルス食中毒の予防方法は? ノロウイルス食品中毒を防ぐためには 1 特に子供やお年寄りなどの抵抗力の弱い人は、加熱が必要な食品は中心部までしっかり加熱する 2 食品取扱者や調理器具などからの二次感染を防止する事が重要です。特にノロウイルスに感染した人の糞便や吐物には大量のウイルスが排出されるため下記の注意が必要です。 ① ノロウイルスは85℃1分の加熱で感染性はなくなるとされています。 ② 手洗いは調理を行う前、食事の前、トイレに行った後は必ずおこないましょう。 (石鹸自体にはノロウイルスを直接不活化させる効果はありませんが、手の脂肪等の汚れを落とすことにより、ウイルスを手指から剥がれやすくする効果があります) Q6調理台や調理器具はどのように殺菌したらいいのですか? ノロウイルスの失活化にはエタノールや逆性石鹸ではあまり効果がありません。ノロウイルスを完全に失活化するには、次亜塩素酸ナトリウム、加熱があります。 Q7食品取扱者の衛生管理で注意すべき点はどこでしょう? ノロウイルスによる食中毒では、患者のふん便や吐ぶつがヒトを介して食品を汚染したために発生したという事例も少なくありません。ノロウイルスは少ないウイルス量で感染するので、ごくわずかなふん便や吐ぶつが付着した食品でも多くのヒトを発症させるとされています。 下痢やおう吐等の症状がある方は、食品を直接取り扱う作業をさせないようにすべきです。 また、このウイルスは下痢等の症状がなくなっても、通常では1週間程度長いときには1ヶ月程度ウイルスの排泄が続くことがあるので、症状が改善した後も、しばらくの間は直接食品を取り扱う作業をさせないようにすべきです。 さらに、このウイルスは感染していても症状を示さない不顕性感染も認められていることから、食品取扱者は、その生活環境においてノロウイルスに感染しないような自覚を持つことが重要です。たとえば、家庭の中に小児や介護を要する高齢者がおり、下痢・嘔吐等の症状を呈している場合は、その汚物処理を含め、トイレ・風呂等を衛生的に保つ工夫が求められます。また、常日頃から手洗いを徹底するとともに食品に直接触れる際には「使い捨ての手袋」を着用するなどの注意が必要です。 調理施設等の責任者(営業者、食品衛生責任者等)は、外部からの汚染を防ぐために客用とは別に従事者専用のトイレを設置したり、調理従事者間の相互汚染を防止するためにまかない食の衛生的な調理、ドアのノブ等の手指の触れる場所等の洗浄・消毒等の対策を取ることが大切です。 Q8患者の糞便や吐物を処理する際に注意すべきところはありますか? ノロウイルスが感染・増殖する部位は小腸と考えられています。したがって、嘔吐症状が強いときには、小腸の内容物とともにウイルスが逆流して、吐ぶつとともに排泄されます。このため、ふん便と同様に吐ぶつ中にも大量のウイルスが存在し感染源となりうるので、その処理には十分注意する必要があります。 12日以上前にノロウイルスに汚染されたカーペットを通じて、感染が起きた事例も知られており、時間が経っても、患者の吐ぶつ、ふん便やそれらにより汚染された床や手袋などには、感染力のあるウイルスが残っている可能性があります。このため、これら感染源となるものは必ず処理をしましょう。 床等に飛び散った患者の吐ぶつやふん便を処理するときには、使い捨てのマスクと手袋を着用し汚物中のウイルスが飛び散らないように、ふん便、吐ぶつをペーパータオル等で静かに拭き取ります。拭き取った後は、次亜塩素酸ナトリウム(塩素濃度約200ppm)で浸すように床を拭き取ります。おむつ等は、速やかに閉じてふん便等を包み込みます。 おむつや拭き取りに使用したペーパータオル等は、ビニール袋に密閉して廃棄します。(この際、ビニール袋に廃棄物が充分に浸る量の次亜塩素酸ナトリウム(塩素濃度約1,000ppm)を入れることが望ましい。) また、ノロウイルスは乾燥すると容易に空中に漂い、これが口に入って感染することがあるので、吐ぶつやふん便は速やかに処理し乾燥させないことが感染防止に重要です。 11月頃から2月の間に、乳幼児や高齢者の間でノロウイルスによる急性胃腸炎が流行します。この時期の乳幼児や高齢者の下痢便および吐ぶつには、ノロウイルスが大量に含まれていることがありますので、おむつ等の取扱いには十分注意しましょう。 Q9吐物や糞便が布団などのリネン類に付着した場合はどのように処理すればよいですか? リネン類は、付着した汚物中のウイルスが飛び散らないように処理をした後、洗剤をいれた水の中で静かにもみ洗いします。その際にしぶきを吸い込まないように注意してください。下洗いしたリネン類は85℃・1分間以上の熱水洗濯が適しています。ただし、熱水洗濯が行える洗濯機がない場合には、次亜塩素酸ナトリウムの消毒が有効です。その際も十分にすすぎ、高温の乾燥機などを使用すると殺菌効果が高まります。布団などをすぐに洗濯できない場合は、よく乾燥させ、スチームアイロンや布団乾燥機を使うと効果的です。また下洗い場所を洗剤を使って清掃する必要があります。次亜塩素酸ナトリウムには漂白効果があります。薬剤の使用上の注意を確認してください。 Q10感染者が使用した食器類の消毒はどのようにすればいいですか? 施設の厨房等多人数の食事の調理、配食等をする部署へ感染者の使用した食器類や吐物が付着した食器類を下膳する場合、注意が必要です。可能であれば食器類は、厨房の戻す前、食後すぐに次亜塩素酸ナトリウム液に十分浸し、消毒をします。 また食器等の下洗いや嘔吐後にうがいをした場所等も洗剤を使って清掃をするようにしてください。 Q11感染者が発生した場合、環境の消毒はどのようにしたらよいですか? ノロウイルスは感染力が強く、環境(ドアノブ、カーテン、リネン類、日用品など)からもウイルス検出されます。感染者が発生した場合、消毒が必要な場合次亜塩素酸ナトリウムなどを使用してください。ただし、次亜塩素酸ナトリウムは金属腐食性がありますので、消毒後の薬剤の拭き取りを十分にするよう注意してください。
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器具類 器材の洗浄、消毒、滅菌 消毒および滅菌処理は、感染経路の遮断および病原体の除去のために用いられる。 器械・器具の処理方法 洗浄時は、スタンダードプリコーションをもとに、防水エプロン・手袋を使用、必要に応じマスク、ゴーグルを使用し、高温80度10分で洗い乾燥させる いもむし連結管-----------------洗浄後中材へ エアーウエイ-------------------洗浄後中材へ 気管カニューレ(内筒)----------洗浄後中材へ(内腔は専用ブラシで洗浄) カテーテルプラグ---------------洗浄後中材へ 吸引チューブ-------------------すべて破棄(感染症廃棄物扱い) 吸引ピッチャー-----------------洗浄後中材へ 吸引ピッチャー(口腔用)--------病棟にて洗浄のみで再使用可 鋼製小物類(鑷子・クーパー等)---洗浄後中材へ 吸入管------------------------洗浄後中材へ 酸素マスク---------------------使用後破棄 酸素吸入用経鼻カテーテル---------使用後破棄 蓄尿ビン-----------------------洗浄後乾燥 膿盆--------------------------洗浄後再利用 バイドブロック------------------洗浄後中材へ 中材への返却は必ず水切りカゴなどを利用して、汚染が拡がらないように工夫する 医療器具の洗浄方法 医療器具・器械などの消毒は、使用後速やかに流水で十分に洗浄をする 手順 1 深めの洗い桶を準備する 2 洗い桶に湯(60度)を溜めて蛇口から水を流した状態にしておく 3 厚手のゴム手袋とプラスチックエプロンを着用し(血液・体液や鋭利なものから医療従事者を保護する)必要であればブラシを使用して流水下の溜水の中で器具を洗う(直接蛇口の水で洗うと、目や口に血液・体液が入る可能性がある) 4 水洗い後もしばらく水につけて置く 5 水切りを十分にしてから、カゴ等に入れ中材に返却する トップページ
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患者配置と移送 感染症を有する患者に対しては、感染症の種類や感染経路に応じて対策を立て、環境への汚染を防止する必要がある 感染経路別予防策 接触感染 接触感染は患者との直接接触(患者の皮膚に直接接触する処置、体位交換、入浴など体の接触等)あるいは、間接接触(患者の持ち物、着衣、ベット柵、テーブルなど)によって起こる。 1個室隔離とする 2個室隔離ができない場合は、同じ微生物による感染者を1つの部屋にし管理する 31.2の管理が不可能であれば、病原体の毒性や排菌量、同室者の感染リスク、病院あるいは病棟における感染対策上の重要性などを考慮し病ひつの配備を行う 4患者が室外に出るときは、十分な手洗いと排菌部位の被覆に努める 5食器、ごみ、タオル、リネン類は、血液等の付着がなければ通常の処理でよい 6聴診器や血圧計などは患者専用とする 7患者退院後は病室の清掃は通常でよいが、手が触れる所は十分清拭する。ドアノブ・ベット柵など、日常的に触れる箇所はアルコールを持ちいれ一日一回以上清拭をする。 飛沫感染 飛沫感染とは、咳・くしゃみ・会話・気管吸引にともなって発生する飛沫が経気道的に粘膜に付着し、それに含まれる病原体が感染することをいう。飛沫経路は5ミクロンより大きいため飛沫する範囲は約1m以内であり、床面に落下するとともに感染性はなくなる。 1個室隔離とする 2個室隔離ができない場合は、同じ微生物による感染者を1つの部屋にし管理する 31.2の管理が不可能であれば、患者ベットの間隔を2mあける。あるいはカーテンによる仕切りを設ける 4感染性を有する期間の患者は、室外に出ることを制限する 5やむを得ず室外に出るときは、サージカルマスクを着用させる 6医療従事者が患者から1m以内で医療行為をする場合はサージカルマスクを着用する 空気感染 空気感染とは微生物を含む直径5ミクロン以下の微小飛沫核が、長期間空中を浮遊し空気の流れによって広範囲に伝播される。したがって、病原体が空気の流れによって運ばれ、感染源の患者と同室あるいは遠方の感受性のある患者が、これを吸引し感染するのを防ぐ対策が必要である。 当院はトイレ付の個室が無いため、他院へ搬送することとなる 搬送時は、サージカルマスクを患者に付けてもらう。 医療従事者もN95微粒子用マスクの着用および手袋・ガウンも着用する。 どの感染に対しても患者・家族への説明を当院の説明用紙にて説明を行う。 トップページ
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はじめに ノロウイルスは、11 月から3月にかけての冬季を中心に、乳幼児や高齢者の間で多発する感染性胃腸炎の主な原因物質として知られています。また、ノロウイルスはカキなどの二枚貝の不十分な加熱調理や感染した食品取扱者から汚染を受けた食品などを原因に食中毒が発生し、近年、感染症、食中毒ともに発生が増加しています。 ノロウイルスによる症状は比較的軽く、通常は2,3日で回復しますが、感染力が非常に強く少量のウイルスを経口的に摂取することで発病する特徴があります。そのため、集団生活を行う施設では、利用者の介助や調理作業時等における手洗いの不備などから、感染症や食中毒が発生し、二次感染により被害が拡大することもあるので注意が必要です。各施設では平常時からの予防対策とともに、感染を早期に把握し、適切な拡大防止の対策等を、迅速、確実に実践できる事が大切です。
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尿道留置カテーテル カテーテル挿入は無菌操作に留意し、尿の逆流と回路からの細菌の侵入を防止する必要がある。 1)カテーテルの使用と挿入 ①尿管カテーテルの留置期間は、できる限り短くする ②挿入部位の消毒は不要であり、汚染が強い場合には微温湯にて洗浄する ③尿道の損傷を減らすため、カテーテルはできるだけ細径のものを使用する 2)尿管カテーテル挿入後のケアー ①尿道が牽引されないように、大腿部に固定する ②尿は常に流れているように保つ クランプはできるだけしない バックは膀胱より上にしない ③定期的な尿道カテーテルの交換はしない 微生物が侵入する部位の無菌操作が中断したり、チューブが外れたり、漏れが生じたり、あるいはチューブが詰まって尿が出てこなくなった場合などに限り交換する。ただし長期(1ヶ月以上)留置する場合は2~3週間での定期交換もやむをえない ④泌尿器の術後の出血などで閉塞が予想される場合を除いて、日常的な膀胱洗浄は行わない。 ⑤尿排出 ・未使用の清潔な手袋を装着する ・排出口が容器に触れないように注意して、尿を排出する ・尿排出時は、出来るだけ患者ごとに異なる採尿容器を用意する ・排出後は、排出口をアルコール綿で清拭する ⑥尿に触れる可能性がある時は、手袋を着用する ⑦留置カテーテルは、不必要になったらすぐに抜去する 抜去後は、感染症扱いとし専用のビニール袋に捨てる ⑧カテーテル挿入中は、石鹸と温水で陰部洗浄を行う トップページ